1月11日は鏡開きです。鏡開きとは、お正月に神棚や床の間にお飾りした鏡もちをさげて、食べ祝うことです。
そもそも鏡もちは神と人とを仲介するものであり、一度神様にお供えした鏡もちをみんなで食べることで神からの祝福を受け、1年の幸せを願うのです。
神に供える鏡もちには、それぞれの名前や形に意味があります。
鏡もちのてっぺんに飾られている橙(だいだい)は、もっぱらみかんを使うのが一般的なようですが、木から落ちずに大きく実が育つことにあやかって、家が代々(だいだい)栄えるように、という願いが込められています。
一方、丸もちは、家庭円満をあらわしていて、重ねる姿には一年をめでたく重ねるといった意味もあるようです。
また関西では、丸もちをめでたい日に食べることで生命力の更新を計ろうとしており、その丸い姿は心臓を形どったものではないかという説もあります。
そのほか、裏白(うらじろ)と呼ばれる部分にはシダを使いますが、シダは古い葉とともに新しい葉も伸びてくるので、繁栄の縁起をかつぐものです。
このように、鏡もちの姿や名前にも先代からの文化や信仰が残っているのです。
お天気豆知識(2025年01月10日(金))
もちは今ではカビが生えないように真空パックされた切りもちなどが店頭に出回り、家で手作りのもちをつくことは日常ではほとんどみられなくなりました。
しかしお正月だけは特別ということで、家庭や地域などでもちつきを行い、つきたてのもちをふるさとから送ってもらったりする方も多いのではないでしょうか。
つきたてのもちは水分をたっぷり含んでいるため、少しでも暖かい場所に置いたりすると、一週間くらいで青カビが生えてきてしまいます。
カビが生えてしまっては当然味が落ちるし、体にもよくありません。カビの発生を完全に防ぐことはできませんが、保存に工夫をすることでカビの発生を遅らせることはできます。
まずもっとも有効なものは冷凍してしまうことです。そのときは小分けにしてラップに包んで冷凍すると、いざ食べるときに解凍しやすく、必要な分だけとりだすことができます。
また、数日以内に食べるけれどカビの発生が心配、というときには、密閉容器にもちを並べ、その中にわさびを一緒に入れて冷蔵庫にしまいます。こうすると、わさびの持つ殺菌効果でカビの発生を遅らせることができます。
これらは、あくまでカビの生え始めを少し遅くするというものなので、やはり、早めにおしるこ、お雑煮、焼きもち、軽く焼いたあと湯にくぐらせてきな粉もちなどなど・・・で食べきってしまうのがいいでしょう。